桜は日本人にとても馴染み深く、愛されていますよね。
けれど、好きなのは人間だけではありません。
メジロも桜が好きなのです。
ただし、花より団子の意味合いが強くなってしまいますが。
桜にとまっているメジロの目的は花の蜜
メジロは甘いものが好きで、果実や花の蜜を食べます。
春先に梅や桜にとまっている姿を見ることが多いのは、そのためなのです。
桜には種類がありますよね?
その種類によっても味や量の良し悪しがあるようで、寄ってくる桜と寄ってこない桜があるのです。
メジロが好きな桜
一言で言うと、一重(ひとえ)の花を咲かせる桜が好きなようです。
5枚の花弁の、よくイメージされる桜です。
この桜よりも花弁が多いヤエザクラやボタンザクラは蜜が少なく、メジロや他の野鳥が食べに来ることも少ないのです。
ですので、一般的に人気の高い染井吉野(ソメイヨシノ)を筆頭に、大寒桜(オオカンザクラ)、河津桜(カワヅザクラ)に多く来ます。
ただ、山桜(ヤマザクラ)は一重であるのですが、蜜が少ないので、あまり寄って来ません。
メジロをよく見たいのなら、染井吉野などの一重の桜が咲く2月下旬から4月中旬、地域によっては5月上旬が狙い目です。
特に、二分咲きから五分咲きの間が姿を見やすい時期と言えます。
染井吉野だと、開花から1週間程が良いでしょう。
満開で見頃の時期だと花に隠れて姿が見えにくいのです。
しかし、そういう時に目をこらして探してみるのも乙かもしれませんね。
どうやって蜜を食べるの?
よく、「蜜を吸う」という表現をしますが、メジロは正確には舐め取っているので「食べる」、あるいは「飲む」という表現の方が正しいと言えます。
桜の花の蜜は、花の奥深く、花弁の付け根より下の少々膨らんだ部分にあります。
メジロのクチバシは細長く、花の奥まで届きやすい上に、舌先が細筆のようになっているので、花に真正面からクチバシを入れ、舌を器用に使って食べているのです。
ちなみに、ヒヨドリも同じような食事方法です。
地面に花が丸ごと落ちていたら、シジュウカラやスズメの食事後です。
彼らのクチバシはメジロに比べると短くて太いために、花の奥にまで届きません。
そのため、シジュウカラやスズメは蜜の入っている膨らみに横から穴を開けて蜜を食べるのです。
その後にちぎれるなどして花が丸ごと落ちているのです。
まとめ
桜とメジロ、美しいと可愛いが揃っていると花見が出来る上に野鳥の姿や声も愛でることが出来て最高ですね。
桜の蜜が好きな鳥はメジロの他にもいるので、食べている姿を見比べるのも楽しみ方の一つです。
足元に花弁ではなく、花の形のまま落ちていたら野鳥たちの食事風景を考えながら押し花にしてみるのも良いのではないでしょうか?