春を告げる鳥のメジロは、美しい鳴き声を持つことで知られています。
古くから親しまれ、江戸時代には鳴き声を競わせる大会もおこなわれており、これは現代まで続いています。
良い声で鳴くのはオスの方で、「地鳴き」と「さえずり」ふたつの鳴き方がありますが、綺麗な声の鳴き方はさえずりです。
この鳴き方は聴き心地も良く、なかには高額を支払っても手元におきたいと願う人もいるようです。
ここでは、メジロのさえずりの意味や鳴き声を用いる鳴き合わせ会についてご紹介します。
さえずりの意味
鳥のさえずりは、基本的に自らの縄張りの主張とメスに対する求愛行動に用いられます。
ウグイスで有名な「ホーホケキョ」などのように、独特なトーンや耳に自然と入る特徴があります。
メジロの場合でも、さえずりは同じ意味をもちます。
繁殖のためのさえずり
基本的にオスが発するさえずりは、繁殖が主な目的です。
暖かくなる春の始まりから繁殖行動ははじまります。
自分のテリトリーをはっきりと示し、パートナーとなるメスに存在をアピールします。
メジロのさえずりは「ピーチュルチー」や「キュルキュル」などであらわされ、生存のためのコミュニケーションツールともいえるでしょう。
鳴き声がポイントの「鳴き合わせ会」
メジロのさえずり声に着目したのが、「鳴き合わせ会」です。
江戸時代からおこなわれていた歴史を持ち、西日本では今でも定期的に開催されています。
鳴き声の美しさや回数を競うものですが、当然、メジロのオスだけが参加となります。
本来は道楽や風情を感じさせるものでしたが、少しでも良いオスのメジロを確保する傾向が生まれ、乱獲へとつながりました。
このため、法律により現在は捕獲と飼育は禁じられています。
現在大会に参加しているメジロは、法律施行の前に飼われていた個体か、中国から輸入された亜種のヒメメジロです。
まとめ
ここまで、メジロのさえずりの意味や鳴き声を用いる鳴き合わせ会について紹介しました。
人々を引きつけるさえずりは、本来繁殖のためということを見てきました。
愛玩動物として飼うことは心情的にわかりますが、競技で上位に入るために乱獲をおこなうことは、理解に苦しむ行動ですね。